2020年7月初旬にロシアは、ウラジーミル・プーチン大統領(67)が2036年まで統治することを可能にする改憲が行われました。
改憲の内容は、それ以外に、同性婚の事実上の禁止や年金調整や最低賃金の見直しなどが含まれています。
ただやはり改憲の核心となるのは現職のプーチン大統の長期続投が可能になるといった点かと思います。
再選されれば2036年まで、つまり彼が84歳になるまで在任することができることになります。
今日はこちらの改憲にまつわるお話について、ちょっと調べてみました。
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憲法改正の全国投票の様子
今回の改憲投票の様子をまずは整理します。
投票率自体は約65%、そのうち賛成が約78%、反対が約21%となっています。
ただ非政府組織ゴロスの独立した選挙監視団によると、こちらの賛成票については二重投票や強制などの2,100間も不正報告が入っているようです。
今回コロナの影響もあってオンライン投票も実施したそうなのですが、物理的に投票した人がオンラインでも投票可能だったり、選挙権を持たない名義での投票が可能だったりと、仕様上の問題もあったようです。
専門家によると、実際の投票率は65%ではなく44%である可能性が高いと見積もっており、そうなると改憲に賛成する票の割合が変わり、ロシアの有権者の約29%(約3,100万人)だけが改憲を支持したことになると伝えています。
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EUの反応
先ほどの専門機関による不正選挙疑惑を持って、EUの外務代表ジョゼップ・ボレルのスポークスマンは当選挙の調査を要請しているそうです。
申し立ての例としては二重投票/強制投票/投票の秘密保持違反/メディアに対する警察の暴力行為などが挙げられています。
このジョゼップ(写真:Wikipedia)さんは、スペインの方なのですが、以前も新型コロナウイルスの感染拡大について中国のその重さにあった責任追及をすべきだと発言をした人でもあります。(https://youtu.be/sG-bC_T003M)
ドイツ連邦議会のFDPメンバーからも批判は出ています。
この独裁者プーチンの改憲は、人権活動家や少数派にとって望ましいものではなく脅威でしかないと発言しています。
ちなみにこのFDPという政党は穏健な右派自由主義政党です。
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ソビエト連邦 2.0 (UdSSR 2.0)
ここで一つキーワードの登場です。
長期政権を握りたいプーチンのその背景にこのキーワードがあるようです。
ソ連崩壊を「20世紀最大の地政学的大惨事」と表現したプーチン大統領にとって、無念千万ばかりかやはり復活を願っているということでしょうか。
この崩壊以降、専門機関により「復活を願う市民の声」というのを継続的に調査がされているようで、2016年では56%がソ連崩壊を後悔していると答えています。
ただこれを見ると2000年以降徐々に減ってはいる模様なので、世代による回答の違いというのが存そうな気はしますね。
ただ、復活を願うと言いつつも、現在の資本主義的豊かさは放棄したくないという声もあるようで、計画経済はもうやだよと言うことでしょうか、現代の経済体制まま、かのソ連時代に戻りたいと言いたいところのうようです。
調査:Levada-Zentrum、2016
参照元:https://www.levada.ru/2016/12/05/grazhdane-sozhaleyut-o-raspade-sssr/
メディアによっては、ノスタルジーがそうさせている?という声もあるみたいで。
ソビエト連邦では、日常的な犯罪は事実上はありませんでした。アパートは施錠する必要がなく、アパートの鍵は床マットの下に置かれ、洗濯物は短時間で消えることなく庭に安全に掛けることができました。階段の誰もがみんなを知っていて、塩や卵が行方不明になると、彼らは単に近所の人に行き、もちろん手伝いました。
昔の日本のような姿ですね…
プーチン大統領が求める長期政権の先にはこの、「ソ連2.0」があるのかもしれませんね。
今後、2020年までの原子力発電と2038年までの石炭火力発電の完全撤廃を目指すドイツが、ロシアと直接つなぐノルドストリーム2と言われるパイプラインを使ったロシアの天然ガス資源の購入を行うとしています。
これはドイツのみならずその先のEU全体を見据えてのことで、ひとつ対外経済活動になるわけですし、2015年ころにはカザフスタンとベラルーシとで経済同盟をむすびより強固に邁進するぞという意気込みもかんじますね。
ちなみに、ポーランド人のクラスメイトにこのプーチン大統領の長期政権の可能性についてどう思うか聞いてみたら、
「Ende!」といってました。
終わりだよ!という意味かなと勝手ながら解釈しております…。
参照元:
https://t.co/07sJc2S0Tg
https://www.zdf.de/nachrichten/politik/volksabstimmung-russland-putin-eu-100.html
https://www.dw.com/de/verfassungsänderung-in-russland-putin-auf-lebenszeit/a-54018567
https://www.grenzecho.net/38332/artikel/2020-07-02/erdrutschsieg-fur-putin-bei-verfassungsanderung
https://www.bz-berlin.de/welt/putin-gruendet-die-sowjetunion-2-0
https://www.bpb.de/internationales/europa/russland/analysen/241501/notizen-aus-moskau-sehnsucht-nach-der-guten-alten-zeit-25-jahre-nach-dem-ende-der-sowjetunion
https://www.sueddeutsche.de/politik/25-jahre-ende-der-udssr-kantine-der-sehnsucht-1.3287682
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エネルギー経済
ドイツは従来の国内石炭火力発電による排出量の増加と合意された原子力の段階的廃止を考慮すると、天然ガスは重要な代替エネルギー源となる。
さらに欧州全体でのガス市場は拡大傾向にあるため Nord Stream 2 を新たに建設予定。
NEGP/Nord Stream)のおかげで、ドイツはロシアのガス資源への契約上のアクセスといくつかの戦略的利点を確保する。
一方これまで通過国だったポーランド・ウクライナ・スロバキアは通貨料収入が減額るため反発。
批評家は、パイプラインの天然ガス供給は、主要サプライヤーであるロシアとさらに結びついていると不平を言う。この依存は、ロシアの独占ポジションによって経済に有害な価格上昇のリスクだけでなく、政治的リスクにも及ぶ。
米国は新対ロシア制裁法を通したいが、欧州からは米国による米国天然ガス供給を狙いたいことが明らかとし受け入れず。
https://de.wikipedia.org/wiki/Nord_Stream
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/19104
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/528/180524_motomura.pdf