ドイツのベルリンからレポート 500人規模シュトゥットガルトの暴動、何が起きたのか/ドイツの再生産数が2〜3に、状況は?#88 ウィズコロナとドイツ ※2020年6月22日時点

こんにちはキノコ意匠です。本日も動画をごらんくださりありがとうございます。

こちらのシリーズではニュースや公的機関の情報をもとに「ウィズコロナ時代のドイツ社会の変容」について記録していきたいと思います。

定量的な経過を観察するための「ドイツ国内の現状の数値」の報告をしたあとは、ドイツ社会で何が起こっているかをレポートします。
それら以外に突発的な事象が起きた際はこれまで同様データなどを引用しながら触れていきたいと思います。

6月22日(木)の今回は以下を記録します。

1.ドイツ国内の現状の数字
2.ドイツ社会の出来事

今日のハイライトは、
ドイツの再生産数が2〜3に、状況は?
500人規模シュトゥットガルトの暴動、何が起きたのか
です。

ドイツの公的機関・複数のメディアをソースに、原則データの確認ができる情報をピックアップしています。
また自分が撮影した一次情報については全てベルリンかつ自分の住んでいる地域の限られた行動範囲でのみの情報です。

1. ドイツ国内の現状の数字

■ロベルトコッホインスティテュート(以降 RKI)の報告

陽性判明者数 190,359名(+537)
死者数 8,885名(+3)
回復者数   175,300名(+400)
直近7日間の住民10万人あたりの陽性判明者数は3.9人

再生産数ですが、4日平均の値を比較した数値と、7日平均の値を比較した数値のそれぞれをお伝えしますと、

4日平均で比較した場合
 R=2.88(変動範囲 2.16~3.73)
7日平均で比較した場合
 R=2.03(変動範囲 1.60~2.49)

ということで、1人の感染者が次に2〜4人に感染させるリスクがあるということになります。

日本にいらっしゃる方からすると、考えられない再生産数を叩き出していると思われます。
この数字がどのくらいの規模なの?というところで過去の歴史を振り返りますと、これまでで再生産数が2〜3(グラフ:ZDF参照)だったのは、3月上旬〜中旬までの期間、つまり欧州での感染拡大の始まりの時期です。

ただRKIでは、(ヒートマップRKI参照)先日動画でも報告した食肉工場やゲッティンゲンの集合住宅などでの局所的な感染拡大が、この数値に影響しているといわれています。

参照元:
https://www.rki.de/DE/Content/InfAZ/N/Neuartiges_Coronavirus/Fallzahlen.html
https://www.rki.de/DE/Content/InfAZ/N/Neuartiges_Coronavirus/Situationsberichte/2020-06-21-de.pdf?__blob=publicationFile
https://www.zdf.de/nachrichten/politik/coronavirus-reproduktionszahl-diskussion-100.html

2.ドイツ社会のできごと

シュトゥットガルトの暴動
概要
20日(土)の夜から21日(日)の朝にかけてシュトゥットガルトにて大規模な暴動が起きました。
暴動の数は最終的にに4〜500人ほどといわれており、警察官への暴力行為のみならずショーウィンドーの破壊や店舗の商品略奪などが行われた。

動画:© SWR 2020

被害状況
暴動を起こした24人が拘束され、19人の警察官が負傷、約40店舗が破壊・損傷を受けそのうち9店舗が略奪を受けた。

流れと背景
17歳の青年の薬物使用の疑いで警官が持ち物検査をしたところ、周囲にいた仲間と思わしき若者が2〜300人ほど集まり検査を行なっていた警官に対し、瓶や石を投げつけた。
そこからどんどんと人が集まり、最終的に4〜500人ほどの規模に膨れ上がった。

動機については明確ではありませんが、現時点で市長は人種差別や極左翼的思想などのような政治的な暴動ではないだろう伝えており、どちらかというと「パーティーシーン」にあるようなアルコール摂取と、インターネットやソーシャルメディアの影響による可能性があるのではと伝えています。

ここ最近の他国の暴動のシーンなどを指しているのでしょうか。ソーシャルメディア上で
警察に対する攻撃的なコンテンツが展開されていたりするようです。
(そうなってくると間接的に政治的影響が及ぼされてると言えなくもない気がしますが…)

ちなみにこのシュトゥットガルト市長のフリッツ・クーンさんは、エコロジー・持続可能な社会や経済を目指す左派自由主義のグリーンズという政党に属しています。

またこの場所になんでこれだけ人がいたかというと、シュロスプラッツという場所なのですが、毎年夏の夜に人気の場所のようですね。

Bild誌では、拘束された24人のうち、外国人12人、ドイツ人9人、移民の経歴を持つ3人のドイツ人と報告しています。

その他
街ゆく人のインタビューでも、こんなことは今まで起こったことがない、こんなのは私たちの知ってるシュトゥットガルトじゃないと言っています。

今回の件で多くの動画や写真がツイッターやインスタで共有されていることもあり、シュトゥットガルト警察によるアップロードポータルページができています。
撮影された動画や画像を検証するもくてきで
の収集ですかね。

https://bw.hinweisportal.de/2020062108-gewaltaetigeausschreitungeninstuttgart/de/upload

参照元:
https://www.swr.de/swraktuell/baden-wuerttemberg/stuttgart/bilanz-randale-stuttgart-100.html
https://www.bild.de/news/inland/news-inland/stuttgart-9-deutsche-3-deutsche-mit-migrationshintergrund-12-auslaender-verhafte-71415050.bild.html
https://www.tagesschau.de/inland/stuttgart-ausschreitungen-105.html

この暴動繋がりではないのですが、前回動画で報告したゲッティンゲンの集合住宅での感染拡大のけん、そこでも暴動が起きたようで、8人の警察官が負傷しているそうです。
瓶や石、金属棒などによる暴力行為が起こったそうで、唐辛子スプレーで鎮圧したそうです。
いずれもコロナ禍におけるストレスなどによる凶暴化といった捉え方もできるような気も、でも単純にそれだけでもないような気もします。

前にコメントでつれえわやっぱさんが書いていらっしゃいましたが、「受容」へ至るまでのプロセスの渦中にある怒りや取引フェーズのはざまにいるような具合なのでしょう。

参照元:
https://www.morgenpost.de/vermischtes/article229241572/Corona-News-Ticker-Lockdown-wegen-Toennies-in-Guetersloh-Hubertus-Heil-Reproduktionszahl.html


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