東京五輪の新競技、サーフィンのメダル候補だ。
生まれ育ったのは米カリフォルニア州のハンティントンビーチ。9歳で米国の強化育成チームに入り、14歳の時、18歳以下の全米選手権を史上最年少で制した。そんな「天才サーファー」は昨年から日本の木下グループと契約。日本代表で五輪をめざすと決めた。
「米国の若者が去っていく」「がっかりだ」――。SNSで批判もされたが、迷いはない。「アメリカのためとか日本のためとか、戦争じゃあるまいし。国と国のスポーツの大会でしょ。だから僕はオリンピックが好きなんだ」
「カノア」はハワイの言葉で「自由」の意味。サーフィンに親しみながら暮らすため、夫婦で米国に移住した父の勉さん(54)が名付けた。初めての波乗りは、3歳の誕生日。旅先のハワイで750ドルの黄色のボードを父に買ってもらった。その日のうちに父の姿をまねて水上に立った。
今は、世界のトップ選手で争うチャンピオンシップツアーで、年間20カ国近くを飛び回る日々。英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語を自在に操るが、家族とは日本語で話す。しゃぶしゃぶや焼き肉、トンカツが大好物だ。